日本ペンクラブ声明 「作品に罪はない」
近年、芸能人やミュージシャンをはじめとする表現者が逮捕・起訴されるたびに、その作品が封印される事態が繰り返されている。公開予定の映画の上映中止、公演の中止、テレビの放映中止、CDやDVDの出荷停止、音源・映像のデジタル配信停止などが当たり前のごとく行われている。
いずれも映画の配給会社、テレビ局、興業会社、レコード会社等々による自主規制によるものだ。結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている。このような風潮を、表現者の集まりである日本ペンクラブは深く憂慮するものである。
こうしたさまざまな自主規制に対しては、音楽家や演出家、映画監督、作家などから「作品に罪はない」「作品と俳優は別人格」という声が聞かれた。文化の担い手でもある関係各企業はこのような声に真摯に耳を傾け、事なかれ主義の自主規制に走らぬよう切に願うものである。
2019年4月15日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 吉岡 忍