海賊版サイト問題に関する日本ペンクラブの考え方

海賊版サイト問題に関する日本ペンクラブの考え方

 

 マンガやアニメ、文芸作品などを作者に無断で掲載する「海賊版サイト」をめぐる対応に関し、表現の自由の観点から以下の2点について憂慮し、関係各方面の熟慮と対応を求めたい。

・著作権を無視し、その対価を支払わずに運営されている違法な海賊版サイトは、断じて許されない。こうした行為が公権力によるより厳しい法規制を引き起こし、結果として社会全体の表現の自由を狭めることにつながることを憂慮する。

・違法サイトを止めるために、政府が“緊急事態”と称し、法的根拠に疑念のある対策を強行することを深く憂慮する。またウエブサイトの良し悪しを政府が一方的に決めるような手法についても、表現の自由と抵触する可能性がきわめて高く、深刻な問題があると考える。

2018年5月16日
一般社団法人日本ペンクラブ
言論表現委員会委員長 滝田誠一郎