【環境委員会】軍事研究と科学者 経済安保法が成立した今、懸念される福島浜通りのこと(2022.12.20オンライン開催)
軍事研究と科学者
経済安保法が成立した今、懸念される福島浜通りのこと
日 時 2022年12月20日(火)18時開始(20時終了予定)
登 壇 吉田千亜(フリーライター、日本ペンクラブ女性作家委員会委員長)
司 会 宮﨑信也(日本ペンクラブ環境委員会委員長)
定 員 500名
参加費 無料
開催方法 Zoomウェビナー
申込方法
1.Peatixでのお申込み
https://jpen2022-eco01.peatix.com
※Zoomウェビナーの参加URLはお申し込み後に
視聴ページの「お知らせ」でご確認いただけます。
2.日本ペンクラブへのお申込み
・お名前と参加メールアドレスを明記の上、下記アドレス宛にお申込みください。
※Zoomウェビナーの参加URLはメールでお知らせします
主 催 一般社団法人日本ペンクラブ
企 画 環境委員会
【企画主旨】
日本ペンクラブ環境委員会では、福島での原発事故を大きな環境問題ととらえ、ウクライナのチェルノブイリ原発や福島第一原発への現地視察、専門家を招いての勉強会、講演会など様々な活動を行ってきました。なかでも福島第一原発の廃炉と福島の復興は大きなテーマです。
今回、長らく福島第一原発事故の取材を続けてきた吉田千亜さんから、
「福島復興の名のもとに、ペンクラブとしても看過できぬ事態が起こっているのではないかと状非常に懸念している」
との報告を受けました。
そこで、日本ペンクラブ女性作家委員会の委員長でもある吉田千亜さん本人を招き、その懸念について講演していただくことにしました。
(環境委員会 委員長 宮﨑信也)
【講演概要】
福島復興の名のもと進められている福島イノベーションコースト構想は、国の経済安保政策と非常に関連する分野の研究を進めている。
福島復興特措法が先般改正されたが、その内容は、同国会で成立した経済安全保障推進法と、国際卓越研究大学法と密接に関係しあっている。併せて、第一次安倍内閣から着実に進められてきている軍拡の流れを知っておく必要がある。
過去の戦争の反省から、科学は、「文化国家ないし平和国家の基礎」として、「平和的復興」と「人類の福祉増進」のために貢献するという決意表明も、学術界の改変によって、断ち切られようとしている。日本学術会議の任命拒否問題も、この流れに含まれる。
福島国際研究教育機構のモデルには「ハンフォード・サイト」が掲げられており、米国国防総省の研究機関、DARPA(ダーパ)の名前も散見される。
※DARPA:第2回産業構造審議会産業技術環境分科会 研究開発・評価小委員会(資料)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/kenkyu_hyoka/pdf/002_03_00.pdf
先端的技術の研究と開発、産官学連携によって地域を活性化し、世界から注目される地域といった未来への希望が描かれ、「復興のため」だと謳われている。
福島ロボットテストフィールド(福島県南相馬市)撮影/吉田千亜(2022年4月)
しかし、経済安全保障推進法が成立した今、素直に「復興」のためだと理解し難いものとなってしまった。国の防衛力強化会議では、デュアルユース(民生・軍事両用)の研究を進める議論が進められ、もはや研究者を動員した「軍拡」を隠す様子もない。
私たちは、いつ軍拡を許したのか。福島イノベーション・コースト構想は、本当に復興のためなのか。改めて現状を認識したい。
吉田千亜(よしだ ちあ)
1977年生まれ。フリーライター。著書に『ルポ母子避難』(岩波新書)『その後の福島――原発事故後を生きる人々』(人文書院)『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』(岩波書店)『原発避難白書』(共著/人文書院)など。
『孤塁 双葉郡消防士たちの3.11』(岩波書店/2020)