日本カナダ文学交流 日本とカナダの作家が語る-パンデミックによる社会変容と創作への影響-
- 2021.03.30
- イベント・活動報告
English version →http://japanpen.or.jp/japan-canada-literary-exchange2021en/
オンライン、無料、登録不要 日本語・英語字幕付
日本ペンクラブと国際交流基金トロント日本文化センターは、同センター設立30周年を記念して、日本カナダ文学交流「日本とカナダの作家が語る―パンデミックによる社会変容と創作への影響-」を開催いたします。日本とカナダを代表する著名な作家の方々に、コロナ禍がもたらした社会、文化、人々の行動や考え方への変化と、今後の創作への影響についてお話を伺いました。カナダの作家はマーガレット・アトウッド氏、キャサリン・ゴヴィエ氏、ヴィンセント・ラム氏で、日本の作家は浅田次郎氏、桐野夏生氏、および平野啓一郎氏です。各々の作家は事前に相手国側へ質問をし、お互いの問いにトークの中で回答します。コーディネーターは佐藤アヤ子明治学院大学名誉教授です。
6名の作家のトークおよび主催者挨拶は、このサイトおよびYouTube「公式チャンネル日本ペンクラブ」でご覧になれます。録画は2021年2月と3月にカナダと日本で行われました。
出演
マーガレット・アトウッド(Margaret Atwood)
キャサリン・ゴヴィエ(Katherine Govier)
ヴィンセント・ラム (Dr. Vincent Lam)
浅田 次郎
桐野 夏生
平野 啓一郎
コーディネーター
佐藤アヤ子
≪プログラム≫
日本ペンクラブ、国際交流基金トロント事務所よりのご挨拶(クリックして下さい)
吉岡 忍 一般社団法人 日本ペンクラブ会長
清水 優子 国際交流基金 トロント事務所長
≪お話し≫ 写真をクリックするとYouTubeの動画が始まります。(字幕を御覧になる方は字幕機能をオンにしてください)
(Luis Mora) (Barbara-Stoneham)
マーガレット・アトウッド キャサリン・ゴヴィエ ヴィンセント・ラム
(Kodansha, Kiyoshi MORI) (Keiichi SUTO) (Mikiya TAKIMOTO)
浅田 次郎 桐野 夏生 平野 啓一郎
≪略歴≫
マーガレット・アトウッド
50以上の小説、詩集、評論、グラフィック・ノベル、児童書等幅広い作家活動を展開し、45カ国を超える国で出版するカナダを代表する作家・詩人。2020年11月には10数年ぶりに詩集『Dearly』を刊行。最新の小説『誓願』は2019年に2度目のブッカー賞受賞。これは1985年に出版され2017年にドラマ化されエミー賞など多数受賞し再注目された『侍女の物語』の待望の続編となる。
その他の代表作として、1989年ブッカー賞にノミネートされた『キャッツアイ』、カナダ・ギラー賞およびイタリア・モンデッロ賞受賞の『またの名をグレイス』、2000年ブッカー賞受賞『昏き目の暗殺者』、マッドアダム三部作、獄中シェイクスピア劇団などが挙げられる。
また上記以外にも、ドイツ出版協会平和賞、フランツ・カフカ賞、アメリカペンクラブ生涯功労賞、ロサンゼルス・タイムズ革新者賞など数々の文学賞を国内外で受賞。選び抜かれた言語と多重構造的なストーリー・テリングのうまさは群を抜く。
カナダ・トロントに在住。
キャサリン・ゴヴィエ
カナダ・ペンクラブ会長やThe Writers Trust議長を務めた経験のあるカナダ人作家。クリエイティブ・ライティングをオンラインで教えるプログラム・国立学校Writers in Electronic Residenceの創立者のひとりであり、さらには移民・難民女性の執筆・演説をサポートするThe Shoe Projectの創設・監督兼委員長も務める。
代表作に、浮世絵師北斎の娘の半生を描いた『北斎と応為』。これは北米、日本をはじめ海外で出版された。その他、ニューヨークタイムズで注目すべき本の1冊に選ばれた『Creation(英題)』、最新の小説『The Three Sisters Bar & Hotel(英題)』などがある。
Toronto Book Award (1992) やCanada’s Findley-Engel Award for a mid-career writer (1997) 受賞。2018年にはカナダ自由人権協会よりExcellence in the Arts受賞、2019年にはカナダ勲章を受章。
アルバータ州エドモントン氏生まれ。アルバータ大学・ヨーク大学出身。トロント(とアルバータ州キャンモア)に在住。二人の娘と二人の孫がいる。次に出版予定の小説には再び葛飾応為が登場。明治時代に蘇る彼女が自分の作品に何が起こったのかについて知る物語。
ヴィンセント・ラム
カナダ出身の医師。両親はベトナムの中国人社会からの移民。トロントにて緊急医として13年勤務。現在は依存症医療を専門とする。
『ER 研修医たちの現場から』でデビューを果たし、カナダで最も権威のある文学賞、ギラー賞を2006年に受賞。映像化されテレビで放映された。
インフルエンザ・パンデミック対策について書いた共著『The Flu Pandemic and You(英題)』で2007年アメリカ医学作家協会より特別功労賞を授与され、トミー・ダグラスの伝記はExtraordinary Canadiansシリーズ(ペンギンランダムハウス)のひとつとして出版された。さらに、初めての小説となる『The Headmaster’s Wager(英題)』は、ベトナム戦争時代のサイゴンで出会う中国人ギャンブラーと英語学校長を描いた話で、2012年カナダ総督賞の最終候補作に選ばれた。
東京都出身。2011年から2017年まで日本ペンクラブ会長。
『地下鉄(メトロ)に乗って』(1994)で吉川英治文学新人賞、『鉄道員(ぽっぽや)』(1997)で直木賞、『壬生義士伝』(2000)で柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』(2006)で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、『中原の虹』(2007)で吉川英治文学賞、『終わらざる夏』(2010)で毎日出版文化賞、『帰郷』(2017)で大佛次郎賞、2019年に菊池寛賞を受賞し、多くの文学賞を受賞。2015年には紫綬褒章受章。
多くの作品が英語、フランス語、中国語、韓国語等に多くの作品が翻訳され、映画化、舞台化、テレビドラマ化されている。
「書くのは最大の道楽」と語り、人情味あふれる語りのうまさは抜群である。現代日本の文学界を代表する作家である。
石川県金沢市出身。
1993年『顔に降りかかる雨』で第39回江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で第51回日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で第12回直木賞、2003年『グロテスク』で第31回泉鏡花文学賞。2004年『残虐記』で第17回柴田錬三郎賞。2005年『魂萌え!』で第5回婦人公論文芸賞。2008年『東京島』で第44回谷崎潤一郎賞。2009年『女神記』で第19回紫式部文学賞。2011年『ナニカアル』で第62回読売文学賞など多くの文学賞を受賞。2015年秋には紫綬褒章を受章。多くの作品が英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、インドネシア語等に翻訳され、映画化、TVドラマ化されている。国際的評価が高く、現代日本の文学界を代表する作家である。
愛知県蒲郡市出身。在学中に文芸誌に投稿した『日蝕』(1999)で第120回芥川賞を受賞、『決壊』(2009)で芸術選奨文部科学大臣新人賞、『ドーン』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、『マチネの終わりに』(2017)で渡辺淳一文学賞、『ある男』(2018)で読売文学賞など多くの文学賞を受賞。一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、フランス語、英語、イタリア語、中国語、韓国語などに翻訳され、映画化さている。2014年には、フランス文化省より芸術文化勲章「シュヴァリエ」を受賞。若くして数々の名作を出版し、当時最年少で芥川賞を受賞した実力派作家で、現代日本の文学界を代表する作家である。
コーディネーター
佐藤 アヤ子
東京生まれ。明治学院大学名誉教授・翻訳家。日本カナダ文学会会長。日本ペンクラブ常務理事。専攻:カナダ文学、アメリカ文学。
著書:『J.D.サリンジャー文学の研究』(共著)、『ケベックを知るための54章』(共著、明石書店)、『現代カナダを知るための57章』(共著、明石書店)、『カナダを旅する37章』(共著、明石書店)、他。訳書:マーガレット・アトウッド著『寝盗る女』(共訳、彩流社)、『またの名をグレイス』(岩波現代文庫)、『負債と報い―豊かさの影』(岩波書店)、『洪水の年』(岩波書店)、トムソン・ハイウェイ『ドライリップスなんてカプスケイシングに追っ払っちまえ』(而立書房)他。
翻訳協力
モーゲンスタン 陽子 作家・翻訳家・ジャーナリスト、日本ペンクラブ会員