日本ペンクラブ声明 「安倍晋三氏の国葬について、まずは当面延期が望ましい」 2022年8月3日
国会開会の日に国会議員のみなさんへ
政府が閣議決定で実施を予定している国葬は、いわば故人のお別れ会です。そうであれば、拙速に行うことなく、活動に大きな疑義が提起されている特定の宗教団体との関係も含め、様々な未解決の問題が解決した後で、国会で議論を経たうえ議決し、心を込めて故人を偲ぶのがよいのではないでしょうか。
先例においても手続き上の問題が国会の場で指摘されていた、閣議決定による国葬を強行することは、あまりにも唐突感が否めず、当該政治家を権威化することにつながります。それは、本来あるべき政治家としての政策検証すらも行いづらくする効果を生むことでしょう。現役政治家としていまだ評価が定まっていないなかで、自由闊達で多様な意見を押しとどめるようなことを時の政権が行うことは、自由で民主的な社会としてふさわしくありません。
2022年8月3日
日本ペンクラブ
会長 桐野夏生