【「子どもの本」委員会企画】13年目の「3・11」

【「子どもの本」委員会企画】13年目の「3・11」

平和の危機の中で考える

「13年目の3・11」

日 時 2023年3月11日(土)14時開始/16時30分終了予定
会 場 出版クラブ 4階 / 開場13:30
    東京都千代田区神田神保町1ー32/神保町駅2分・水道橋駅2分
参加費 無料 / 対 象 一般(中学生以上)/ 定 員 100人
申  込 ①Peatixより 
        https://jpen-kodomo311.peatix.com/
     ②日本ペンクラブ事務局
        kodomo2022@japanpen.or.jp
        (お名前、人数、電話番号をお知らせください)

主  催 一般社団法人日本ペンクラブ

企  画 「子どもの本」委員会
後  援 一般社団法人日本児童文学者協会
     一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)
問  合 日本ペンクラブ事務局 tel 03-5614-5391

「子どもゆめ基金」助成活動

【開催趣旨】

 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から12年が経ちました。私たち日本ペンクラブ「子どもの本」委員会は、原子力緊急事態宣言がいまだ発令中であるこの未了の問題を問い続けてきましたが、2022年2月におきたロシアによるウクライナ侵攻以来、新たな危険性が露わになりました。
 一つは、原子力発電所が戦略上の要所にされる危機。「核兵器の使用」が議論される悪夢のような現実に、今、世界は直面しています。そしてもう一つは、ウクライナ侵攻を契機とした電力不足が、異常気象と相まって不安をあおり、「脱原発」 に対する逆風になっていることです。岸田政権は原発の再稼働や老朽原発の使用年限延長、新増設の方針を打ち出しました。 年末には、「反撃能力」と称した軍備増強のために、復興所得税の1%の防衛費「転用」を閣議決定しています。
 「13年目の3・11」の第1部では、3歳の時に広島で被爆し、原爆や平和をテーマにした作品をたくさん残し、2021年に亡くなった那須正幹氏の作品を中村敦夫さんの朗読と共に振り返ります。そして、第2部では、「原発」や「核」の問題を大事なモチーフとしてきた作家、翻訳家によるシンポジウムで児童文学の課題と可能性を考えたいと思います。

【プログラム】
開会の挨拶 森絵都(作家、「子どもの本」委員長)

第1部 追悼 那須正幹さん
『ねんどの神さま』を読む 朗読 中村敦夫

2021年7月22日に亡くなった那須正幹さんは、「子どもの本」委員会のメンバーでもありました。原爆や戦争をテーマに未来への警笛をならしてきた数々の作品とともに、私たちが『ねんどの神さま』を朗読作品に選んだ理由を紹介しながら、那須さんの問いかけに改めて向き合いたいと思います。

第2部 シンポジウム 「3・11」は”今”に何を問うのか
パネリスト 朽木祥・高田ゆみ子・中澤晶子・濱野京子
司会 西山利佳(児童文学評論家、「子どもの本」副委員長)

「3・11」をどのように受け止め、子どもたちに何を伝えたいと考えてきたのか。
そして今、ウクライナ侵攻、敵基地攻撃能力保有、日本の軍備拡大、原発依存政策を目の当たりにし、何を書きたいと考えているのか、4人の作家・翻訳家が児童文学の可能性をさぐります。

閉会の挨拶 野上暁(評論家、日本ペンクラブ常務理事)
総合司会 加藤純子(作家、「子どもの本」委員)

【登壇者の紹介】
中村敦夫さん
俳優、作家、元参議院議員。新聞記者の長男として生まれる。議員時代から原発の危険性を主張し、朗読劇「線量計が鳴る」を全国公演(後にDVD 化)。カルト集団をテーマにした『狙われた羊』(講談社)が30 年ぶりに文庫化。
日本ペンクラブ理事、環境委員。

朽木祥さん
作家。被爆二世。1957年広島市生まれ、鎌倉市在住。ヒロシマを描いた作品に『光のうつしえ』(講談社)『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)ほか。『パンに書かれた言葉』( 小学館)ではフクシマを起点として「負の記憶」を描いた.。「子どもの本」委員。

高田ゆみ子さん
翻訳家。1956 年大阪府生まれ、神奈川県在住。グードルン・パウゼヴァングの『みえない雲』『最後の子どもたち』(小学館)、『そこに僕らは居合わせた―語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶』『片手の郵便配達人』(みすず書房)他を翻訳。

中澤晶子さん
作家。1953 年名古屋市生まれ、広島市在住。『あしたは晴れた空の下でぼくたちのチェルノブイリ』(汐文社)『こぶたものがたり チェルノブイリから福島へ』(岩崎書店)『ひろしまの満月』(小峰書店)など原発事故やひろしまをテーマとした創作多数。

濱野京子さん
作家。1956 年熊本市生まれ、さいたま市在住。『石を抱くエイリアン』(偕成社)など、様々な形で「3.11」を作品にし、『この川の向こうにきみがいる』(理論社)では被災地を離れた避難先での被災した子どもの正反対の振る舞いをすくい取った。「子どもの本」委員。