【獄中作家・人権委員会】勉強会報告「アフガニスタン危機から2年: 命を追われる人々と女性、そして退避の現状」瀬谷ルミ子氏を招いて
【獄中作家・人権委員会】
「アフガニスタン危機から2年: 命を追われる人々と女性、そして退避の現状」瀬谷ルミ子氏を招いての勉強会
2023年9月14日(木)午後1時~ 主催:獄中作家・人権委員会 於:日本ペンクラブ
アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンによる殺害予告を受けて命を狙われる人々の退避活動を続ける認定NPO法人REALs(Reach Alternatives)理事長、2003年から2005年にかけてアフガニスタンの日本大使館で外務省職員として武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)を担当した、瀬谷ルミ子氏(著書は『職業は武装解除』(2015年、朝日新聞出版))に現状をお話いただいた。
2023年現在、アフガニスタンでは、タリバンによる人権侵害がさらに進み、女子教育が全て停止、女性の就労も大幅に制限されている。各国大使館、NGO、NPOの職員、通訳として働いた人々にくわえ、ジャーナリスト、ミュージシャン、アーティスト、詩人、作家、アスリート、女性の権利や教育のために活動した女性、また平和や自由を訴える活動をした男性やLGBTQ+の方、その家族もまた、殺害予告を受け、実際に殺害されたり、レイプ、暴力に晒され、自宅に戻れないまま、家族と共に隠れ家の中で、家財道具などを売り繋ぎながら、息を潜めている。
声を奪われるくらいなら殺されても構わない、とアフガニスタン国内でデモ活動続ける女性活動家たちもいるが、メディアの取材制限も厳しく、その声さえ伝えられていない、という現状がある。
現在、REALsの支援により隠れ家で退避を待つ家族は200人弱。
REALsがヨーロッパへ退避させることに成功した女性詩人からメッセージをいただいた。
「一昨年のアフガニスタン崩壊とタリバンにより、私含めた詩人、作家や社会が20年間アフガニスタンで積み上げてきた成果は灰になり、いま、芸術と自由の声は息の根を止められようとしている。アフガニスタンの文学のダイナミズムと継続性、成長のために活動していきたいし、アフガニスタンの女性と人々について書いていきたい。それ以外の世界の片隅でも同じように自由を奪われている女性たちについても考えている」
◆クラウドファンディング「カブール陥落から2年|アフガニスタン、国外退避・保護で命を守る」(2023年10月6日まで)
https://readyfor.jp/projects/reals230809