「取材源秘匿・内部通報者保護制度を脅かす鹿児島県警の強制捜査を強く非難する」
- 2024.06.19
- 声明
【日本ペンクラブ声明】
「取材源秘匿・内部通報者保護制度を脅かす鹿児島県警の強制捜査を強く非難する」
伝えられるところでは、鹿児島県警は4月に報道機関を強制捜査し、取材情報が入ったパソコン等を押収、そのデータをもとに内部通報者を特定し、5月に国家公務員法違反の疑いで逮捕した。ジャーナリストにとって、情報源の秘匿は最高位の倫理であることはいうまでもないが、公権力も表現の自由を実効的に保障するものとして、強制力を持って取材源を開示させるようなことは控えてきた経緯がある。
今回の行為は、そうした慣例を毀損するものであり、あわせて、報道機関への情報提供を強制捜査の対象にしたことは、内部通報者保護制度の趣旨からすると、民主主義社会の根幹を脅かす極めて深刻な事態だ。こうした報道機関への脅威を深く憂慮するとともに、各メディアの積極的な取材報道を期待する。
日本ペンクラブは、今回の警察の行動を強く非難するとともに、事態を決して前例としないことを求めるものである。
2024年6月19日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 桐野夏生