【国際ペン声明】国際ペンは、即時停戦、市民の保護、人質全員の解放、そしてガザ包囲の終結を求める(2023.10.25)

【国際ペン声明】国際ペンは、即時停戦、市民の保護、人質全員の解放、そしてガザ包囲の終結を求める(2023.10.25)

国際ペンは、増え続ける民間人の犠牲と、人道的にあり得ないガザの壊滅状況に慄然としている。国際ペンは、即時停戦、すべての人質の解放を含む市民の保護、ガザに課された包囲の終結を求める。

国際ペン ブルハン・ソンメズ会長
「ハマスによる攻撃であれ、イスラエル軍による砲撃であれ、罪のない市民を無差別に傷つけることは容認できない。ガザへの迅速かつ効果的な人道援助の提供を妨害することは、罪のない市民に影響を与えるだけである。このような行為は、疑いなく国際人道法に違反しており、直ちに中止しなければならない。今すぐ停戦を実施し、人類に勝利をもたらさなければならない」

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 10月23日現在、ガザ保健省の報告によると、イスラエルによるガザ攻撃で死亡したパレスチナ人は5,087人と、悲劇的な数字に上っている。犠牲者の62%以上が女性と子どもで、負傷者の総数は15,273人を超えた。

 10月21日、ガザ地区へのラファ検問所が10月8日以来初めて部分的に再開され、食料、水、医療品などの必要物資を積んだトラック20台の入国が容易になった。だが、入港した物資の量は、紛争前のガザの1日平均輸入量のわずか4%にすぎず、全面封鎖が何日も続いた後の必要量にははるかに及ばない。国連パレスチナ難民救済機関のスポークスマンは、紛争前には毎日500台のトラックがガザに入ってきていたことを強調した。

 イスラエルが10月9日に完全包囲を開始してから、食料、水、医薬品などの重要な物資へのアクセスが遮断されていた。

 ガザ住宅省によると、10月7日以来、ガザの全住宅の少なくとも42%が破壊され、住めなくなったり、損壊したりしている。国連の人道援助調整事務所OCHAによると、ガザでは1,000人以上が行方不明となり、瓦礫の下敷きになったか、死亡したと推定され、ガザに住む220万人のパレスチナ人のうち、140万人が国内避難民となっている。

 イスラエルはただちにガザへの空爆を中止し、16年にわたる空・陸・海の封鎖を解除して、人道援助への即時アクセスを可能にしなければならない。

 ハマス側は、イスラエルの民間人の人質全員を無条件・無害で速やかに解放し、イスラエルへの無差別ロケット弾発射を直ちに停止しなければならない。

 国連とその加盟国は、即時停戦を仲介し、紛争の公正な解決を確保するために必要なあらゆる手段を講じ、そのためには、国際法に則り、56年間にわたるイスラエルによるパレスチナ全領土の占領を直ちに停止し、パレスチナ人に課せられた数十年にわたるアパルトヘイト体制を解体することが必要である。


◆経緯と背景

 10月7日、ハマスが国境を越えてイスラエルに侵入し、市民を大量に殺害し、人質を取り、イスラエルに向けて無差別ロケット攻撃を行った。その結果、女性、子ども、高齢者を含む大半の民間人を含む1400人以上の死傷者、2100人の負傷者、200人以上のイスラエル人と外国人がガザで拘束されるなど、壊滅的な打撃を受けた。10月24日現在、278人がイスラエルの病院で治療を受けている。

 これに対し、イスラエルは居住区への大規模な砲撃を開始し、ガザを全面包囲した。

 人口密度の高いガザにおいて、広範囲に影響を及ぼす爆発性兵器の使用は、重要なインフラが破壊され、ガザのパレスチナ人に深刻な被害を与えることは避けられない。同様に、ガザからイスラエルに向けてロケット弾を発射し、人質を取ることは、民間の人や物に対する明らかな脅威である。

 国際人道法、とりわけ1949年のジュネーブ条約と1977年の追加議定書によれば、紛争当事国は敵対行為の影響を受ける民間人の生命を保護する明確な義務を負っている。特に住居、企業、学校、橋、放送施設、医療施設などの民間インフラへの被害を最小限に抑えるため、あらゆる可能な予防措置を講じなければならない。攻撃は、戦闘員および軍事目標のみを標的としなければならず、意図的に民間人を標的にすること、不均衡な攻撃、民間人の死傷者をもたらす無差別攻撃への従事は、戦争犯罪の要素となる。民間人の拉致や人質は国際法違反であり、戦争犯罪にあたる。

 紛争中、占領国はジュネーブ第4条約に基づき、可能な限り、「民間人への食糧と医薬品の供給を確保する」義務を負う。当事国は、支援を必要とするすべての民間人のための、公平で人道的支援を迅速な提供を許可し、可能にしなければならない。援助が検査の対象となることはあっても、恣意的な遅延の対象となることがあってはならない。

◆国際ペンのウェブサイト該当ページ(2023.10.25)