あの日の言葉を未来へ 「3.11」と向き合う

あの日の言葉を未来へ 「3.11」と向き合う

2011年に起きた東日本大震災から13年が経ちました。そして、2024年は能登半島地震の大きな被害で幕を開けました。「あの日」の言葉が今生かされているのか、考えずにはいられません。

 あの日の言葉を未来へ 「3.11」と向き合う


 第1部では、絵本『希望の牧場』(岩崎書店/2014)を、作家の森絵都さん、画家の吉田尚令さんご協力のもと、「子どもの本」委員で俳優の中井貴惠さんに朗読していただきます。あの春が時を超えて引き戻されることでしょう。

 第2部は、小学5年生のときに被災し、高校1年の時に、その体験や思いを語り、『16歳の語り部』(ポプラ社/2016)として出版された、相澤朱音さん、雁部那由多さん、津田穂乃果さんが登壇します。20代になり、それぞれの道を歩んでいる3人に、あの日のこと、あの日からのこと、そして、いま能登半島大震災をどのように受け止めているかを伺います。

 今年は「子どもの権利条約」が国連で採択されてから35年目、日本が批准してから30年目に当たります。あの日の記憶を伝える若者たちの言葉から、何を受け止めるか。多くのご参加をお待ちしております。

日時 2024年3月9日(土)14:00~16:30(開場13:30)
会場 出版クラブ 4階会議室
   東京都千代田区神田神保町1-32
参加費 無料
対象 一般(中学生以上)/小学生は保護者と同伴でご参加ください
定員 100人
申込 Peatix より https://jpen-12.peatix.com/ 

主催 一般社団法人日本ペンクラブ
企画 「子どもの本」委員会
後援 一般社団法人日本国際児童図書評議会
   一般社団法人日本児童文学者協会
問合 日本ペンクラブ・事務局
   TEL 03-5614-5391 / kodomo2024@japanpen.or.jp

「子どもゆめ基金」助成活動

【プログラム】
第1部 朗読『希望の牧場』(文/森絵都、絵/吉田尚令/岩崎書店/2014)
    中井貴惠(俳優、「子どもの本」委員)
第2部 インタビュー「16歳の語り部」は今
    相澤朱音/雁部那由多/津田穂乃果(『16歳の語り部』)
    聞き手 松本侑子(作家、翻訳家、「子どもの本」委員、日本ペンクラブ理事)

【登壇者のプロフィール】

相澤朱音(あいざわ あかね)さん
1999年生まれ。宮城県の東松島市大曲小学校5年生のとき被災。親友を亡くし、ふさぎ込む日々が3年ほど続く。本書のきっかけとなったシンポジウムの会場校である石巻西高校(東松島市)に進学し、防災活動に積極的に取り組む。卒業後、聖和学園短期大学へ進学。現在は保育士等の仕事をしながら、絵本作家を目指して勉強を始めている。

雁部那由多(がんべ なゆた)さん
1999年生まれ。宮城県の東松島市大曲小学校5年生のとき被災。2014年の春、初めて人前で被災体験を語る。宮城県石巻高校卒業、東北学院大学進学。現在は東北大学大学院文学研究科・文学部社会学研究室に在籍。研究テーマは災害社会学と地域社会学。共著に、百瀬しのぶ編『世界はとつぜん変わってしまう?』(KADOKAWA/2022)ほか。

津田穂乃果(つだ ほのか)さん
1999年生まれ。宮城県の東松島市大曲小学校5年生のとき被災。自宅を津波で流される。『16歳の語り部』では、当時の小学生たちのストレスと感情の起伏をストレートに語っている。東松島市矢本第二中学校では1年の後期から、生徒会副会長の雁部君に誘われ相澤さんと共に生徒会執行部に入る。石巻高校から帯広畜産大学に進学。現在は養豚業。

◇聞き手 松本侑子(まつもと ゆうこ)さん
作家・翻訳家。1963年島根県出雲市生まれ。『巨食症の明けない夜明け』(集英社文庫/すばる文学賞)『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』(光文社文庫/新田次郎文学賞)『金子みすゞと詩の王国』(文春文庫)、訳書に日本初の全文訳・作中の英文学と歴史を解説した訳註付『赤毛のアン』シリーズ全8巻(文春文庫)『英語で楽しむ赤毛のアン』(ジャパンタイムズ)。プリンス・エドワード島渡航25回。

◇朗読 中井貴惠(なかい きえ)さん
1978年「女王蜂」で主演デビュー、1983年「制覇」で日本アカデミー賞助演女優賞、1998年より『大人と子供のための読みきかせの会』代表をつとめ、昨年活動25周年を迎える。2009年から朗読公演「音語り~小津安二郎映画を聞く~」を全国展開中その他に、「朗読劇あん」「おとな絵本の朗読会」など朗読企画に取り組んでいる。エッセイスト・絵本翻訳家として著作物多数。公式サイト https://nakaikie.com/

『16歳の語り部』(ポプラ社/2016)
2011年3月11日、東松島市の大曲小学校5年生の時に被災した3人(雁部那由多・津田穗乃果・相澤朱音)による、高校1年時の語り下ろし。2014年に3人が在籍する矢本第二中学校(東松島市)に赴任した教師佐藤敏郎の声かけから、震災を語り継ぐ活動が始まる。2015年3月11日に開催された「みやぎ鎮魂の日シンポジウム」で3人は初めて共に登壇し、それが本書につながっていく。3人の語りを第1部とし、第2部では、語りを受けて、都立高校2年山城未裕さんと、本書「案内人」佐藤敏郎が寄稿している。