《ふるさとと⽂学2019》立原道造の浅間山麓 10月27日(日)軽井沢にて開催。事前申込は締切ました。(満員御礼。パブリックビューイングを実施します。こちらは事前申し込みは不要です)

《ふるさとと⽂学2019》立原道造の浅間山麓 10月27日(日)軽井沢にて開催。事前申込は締切ました。(満員御礼。パブリックビューイングを実施します。こちらは事前申し込みは不要です)

 

企画監修 ⼀般社団法⼈⽇本ペンクラブ

 「軍歌ばかりが聞こえる」十五年戦争さなか、立原道造は魂と魂を対話させ、音楽のような言葉を紡ぎ、繊細な建物のように詩を組み立てていきました。浅間山麓に抱かれ、愛に震えた夭折詩人は、いま私たちに、「何かを忘れていないか」と静かに、歌うように問いかけています。
 映像+語り+音楽、朗読と座談とコンサートによる文学ライブ饗宴!

日時:10月27日(日)13:30~16:30(開場12:30〜)
場所:軽井沢大賀ホール
(⻑野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東28-4。北陸新幹線・しなの鉄道「軽井沢駅」から徒歩7分。※専⽤駐⾞場はありません。公共交通機関か、近隣の有料駐⾞場をご利⽤ください。)

<プログラム>
第1部映像ライブ「その先の夢の行方~立原道造の人・作品・世界」
語り:片岡一郎(活動写真弁士)
演奏:佐藤久成(ヴァイオリニスト)
構成脚本:吉岡忍(作家)
映像制作:四位雅文(映像作家)
第2部朗読「萱草(わすれなぐさ)に寄す」ほか
下重暁子(作家・エッセイスト)
第3部座談「立原道造の浅間山麓」
浅田次郎(作家)、加賀乙彦(作家)、小池真理子(作家)、中谷礼仁(早稲田大学教授・建築史)、山田健太(進行:専修大学教授・言論法)
第4部コンサート「歌になった詩たち」
作曲・演奏:森ミドリ(音楽家・エッセイスト)
ソプラノ:田崎尚美ピアノ:松田祐輔
合唱:地元合唱団有志の皆さん

総合司会茶木環(作家・エッセイスト)

事前申し込みにて満員となっています。御礼申し上げます。事前申し込みは締め切らさせていただきました。

 ☆「ふるさとと文学2019~立原道造の浅間山麓」のパブリックビューイングを下記の3カ所にて実施します。

 大賀ホールの座席は定員に達しましたが、当日、町内3カ所において生放送で会場内の映像をご覧いただけるパブリックビューイングを下記のとおり実施いたします。
 なお、パブリックビューイングの事前受付は致しませんので、当日お好みの会場へお出かけください。
【と  き】令和元年10月27日(日)13時30分~16時30分
【実施場所・定員】                             
(1)MOTOTECA COFFEE(軽井沢書店内)・・・軽井沢町大字軽井沢1323 定員20名
(2)軽井沢高原文庫・・・・・・・・・・・・・軽井沢町大字長倉202-3   定員20名
(3)軽井沢中央公民館 1階講義室・・・・・・軽井沢町大字長倉2353-1         定員60名
【料  金】パブリックビューイングの観覧は無料です。
【問い合わせ】 ふるさとと文学2019~立原道造の浅間山麓実行委員会事務局
        電話:0267-45-8695(軽井沢町教育委員会生涯学習課内)

 

主催:ふるさとと⽂学2019 ⽴原道造の浅間⼭麓実⾏委員会
(軽井沢町、軽井沢町教育委員会、軽井沢⽂化協会、軽井沢⾼原⽂庫ほか)
本企画は⻑野県地域発元気づくり⽀援⾦活⽤事業です。

夢はその先にはもうゆかない

 立原道造は1914(大正3)年、東京は日本橋、河岸や荷造りで使う木箱をつくる木工所に生まれた。ノッポで虚弱な少年は芥川龍之介や堀辰雄が卒業した地元中学(現在の都立両国高校)に通い、文学に目覚めていった。
 折しも世の中が、第一次世界大戦、関東大震災、昭和大不況、満州事変と激しく揺さぶられるさなか。一高・東大へと進んだ道造は自宅の屋根裏に手作りした北欧風の部屋にこもって、自分だけの小宇宙を築いていく。
 道造が初めて浅間山麓にやってきたのは1934(昭和9)年、20歳の夏。先輩堀辰雄の小説に感動し、その作品舞台を自分の目で確かめたいと考えたからだった。追分や軽井沢から望む壮大かつ繊細な風光と、そこで出会い、去っていった避暑地の女たちの姿に彼はうち震え、その残影は詩心となって詩人の内奥に棲みついた。
他方、建築学科で学んだ道造は優秀な建築デザイナーでもあった。彼が「ひとつの幻想である」と称した卒業制作「浅間山麓に位する芸術家コロニーの建築群」の設計図からは、秩序と美、豊潤と静寂と快楽が沸き立つように浮かんでくる。
 彼は銀座にオフィスを構える建築事務所で働きはじめた。そこで出会ったのが、目もと涼やか、職場の机に花を飾るのが好きなタイピストの女性だった。自分の言葉と詩は働く人、生活者としての彼女に届くだろうか。青春の終わりと実人生の始まりを感じたころ、世間はいっそう騒然としていた。泥沼化した日中戦争は世の中に蓋をしたような息苦しさとなって覆いかぶさっていた。道造も急かされるように長く孤独な一人旅に出た。
 まず、北の岩手県盛岡へ。「僕は実りの豊かさというものをはじめて学んだ」。つづいて、西の長崎へ。「長いこと夢想していたひとつの生活がいよいよはじまろうとするのだ」。詩をつくること、あるいはそのあとに小説を書くこと。行く先々で彼は彼女に書き送るように綿密なノートを綴った。
 だが、道造は長崎で血を吐いた。重篤な結核だった。それから彼は4ヵ月しか生きなかった。1939(昭和14)年3月、道造は24歳と8ヵ月の生涯を閉じた。そして2年後、太平洋戦争が勃発し、さらに4年半後、この国は焦土と化した。
 今年は、立原道造没後80年である。

出演者と制作者の紹介
片岡一郎 活動写真弁⼠
2002年に澤登翠に入門。日本独自の活弁をクロアチア、ウクライナ、ドイツ等18ヵ国公演。周防正行『カツベン!』出演、実技指導。NHK『いだてん』でも弁士役で出演。
佐藤久成 ヴァイオリニスト
東京藝大卒、複数の欧州名門音大で研鑽。日本演奏連盟賞、リッチ、ヴィオッティ等のコンクール優勝・入賞。94年、ベルリン交響楽団ソリストデビュー。稀なる鬼才と絶賛。
吉岡忍 作家
長野県出身。早大在学中に反戦運動参加後、数十ヵ国を取材。『墜落の夏』で講談社ノンフィクション賞、出演のNHK番組「奇跡の生還」が国際エミー賞。日本ペンクラブ会長。
四位雅文 映像作家
鹿児島県出身。北大大学院卒。ぴあ、米国CBS-NEWSを経て映像ディレクターとして独立。報道番組制作の一方、CG、ドローン等を駆使した舞台・アート表現に新境地を開拓。
下重暁子 作家 エッセイスト
早大卒。NHKアナウンサー、民放キャスターとして活躍後文筆活動へ。『家族という病』『極上の孤独』がベストセラーに。公益財団法人JKA元会長。日本ペンクラブ副会長。
浅田次郎 作家
『鉄道員』で直木賞受賞後、多彩な作風で読者を魅了し、司馬遼太郎賞、吉川英治賞、
毎日出版文化賞、朝日賞など多数受賞。2015年紫綬褒章。日本ペンクラブ前会長。
加賀乙彦 作家
東大医学部で精神医学を学び、仏留学。『フランドルの冬』で芸術選奨新人賞を受賞後、人間存在の本質に迫る大作で日本文学大賞、大佛次郎賞等受賞。芸術院会員、文化功労者。
小池真理子 作家
東京都出身。『恋』で直木賞受賞。ミステリー、恋愛小説、エッセイと、短編の名手として多方面で活躍し、柴田錬三郎賞、芸術選奨、吉川英治文学賞等を受賞。軽井沢在住。
中谷礼仁 早稲⽥⼤学教授・建築史
東京都出身。多様なジャンル・時間を渉猟する建築史家。現代生活デザインの根底的見
直しから生環境構築史を提唱。著書『未来のコミューン』『動く大地、住まいのかたち』他。
山田健太 専修⼤学教授・⾔論法
京都市出身。言論法、ジャーナリズム論。放送批評懇談会、自由人権協会の理事。近著に『沖縄報道』『放送法と権力』『見張塔からずっと』など。日本ペンクラブ専務理事。
森ミドリ ⾳楽家 エッセイスト
東京藝大大学院修了。エッセイ執筆のほか、主に合唱曲や歌曲を中心に作曲。音楽と朗読で綴る文学コンサートや、あらゆるテーマでの即興演奏を行う。日本ペンクラブ理事。
田崎尚美 ソプラノ歌⼿
東京藝大卒業時にアカンサス音楽賞と同声会賞受賞。同大学院修了。『パルジファル』のクンドリ役、『ルサルカ』『サロメ』主役では技巧と歌唱力で聴衆を魅了。二期会会員。
松田祐輔 ピアニスト
東京藝大ピアノ専攻卒。名古屋市立菊里高校音楽科在学中に全日本学生音楽コンクール高校の部で全国1位。奏楽堂日本歌曲、日本ドイツ歌曲の各コンクールで優秀共演者賞。
茶木環 作家・エッセイスト
東京都出身。テレビ信州報道キャスター、出版社勤務を経て、執筆活動に入る。主なテーマは文学、観光、交通、インフラ等。一般社団法人計画・交通研究会広報部会長。