日本ペンクラブ声明20190623 沖縄県慰霊の日(6月23日)にあたり、私たちはアジア太平洋戦争の犠牲となった多くの命を悼み、二度とこのような惨禍を繰り返さぬよう、あくまで言葉と表現の力で平和を希求する決意をあらたにしています。 戦争終結から74年、本土復帰から47年が過ぎた今日でも、沖縄には米軍基地が集中し、県民に大きな負担を強いています。そのうえ政府は、沖縄県民が折々の選挙のたび、そ […]
核兵器開発が危うい段階を迎えている。 先月末、米政府は今年2月にネバダ州の核実験場で臨界前核実験を行ったことを明らかにした。一昨年12月につづき、トランプ政権になって2度目の実験である。 一方、米政府は、ロシアが北極海で低出力の核実験を行っている可能性があると分析している、とも伝えられている(ロシア側は否定)。 いずれにせよこれらが明らかにしているのは、核大国が「新冷戦」ともいわれるグロー […]
近年、芸能人やミュージシャンをはじめとする表現者が逮捕・起訴されるたびに、その作品が封印される事態が繰り返されている。公開予定の映画の上映中止、公演の中止、テレビの放映中止、CDやDVDの出荷停止、音源・映像のデジタル配信停止などが当たり前のごとく行われている。 いずれも映画の配給会社、テレビ局、興業会社、レコード会社等々による自主規制によるものだ。結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ […]
8回目の3.11 東日本大震災の日がめぐってきます。地震、津波、原発事故……言い尽くせない悲嘆と苦しみと怒りを抱えた人たちが三陸沿岸に、また原発事故により避難した人々は全国各地に暮らしています。復興はまだ途上であり、原発事故周辺では地域再建の見込みすら立っていません。 しかし、その一方で、憲法を改正し、「緊急事態条項」を加えようという動きが進んでいます。これは、大規模な災害の際、首相や内閣に絶 […]
いったい何を大人げないことをやっているのか。内閣官房長官と首相官邸報道室のことである。両者は昨年末、内閣記者会に対し、東京新聞記者の質問が「事実誤認」「問題行為」であるとして「問題意識の共有」を申し入れたのを手始めに、2ヵ月が経ったいまも、同記者の質問に対し、「あなたに答える必要はない」と高飛車に応じている。 官房長官の記者会見は、記者がさまざまな角度から政府の政策を問い質す場である。その背後 […]
日本ペンクラブ声明(PDF)はこちら→日本ペンクラブ声明「国際ペン決議により核のない世界の実現を呼びかける」 日本ペンクラブは国際ペン平和委員会、スロベニア・ペンと共同で、2018年9月にインド・プネーで開催された第84回国際ペン大会に「非核化」決議を提案し、9月27日の代表者会議において採択された。 国際ペンは世界に140余のセンターを持ち、3万人の作家が所属する国際的団体であり、日本ペンク […]
マンガやアニメ、文芸作品などを作者に無断で掲載する「海賊版サイト」をめぐる対応に関し、表現の自由の観点から以下の2点について憂慮し、関係各方面の熟慮と対応を求めたい。 ・著作権を無視し、その対価を支払わずに運営されている違法な海賊版サイトは、断じて許されない。こうした行為が公権力によるより厳しい法規制を引き起こし、結果として社会全体の表現の自由を狭めることにつながることを憂慮する。 […]
私たちは、本日昼に行われた北朝鮮による核実験を強く非難する。 近年、北朝鮮支配層は国民生活の窮乏を顧みず、ミサイルの発射実験と核実験をくり返している。同国による核実験は六回目となる。この傲岸不遜な行動に、私たちは慄然とする。 一国の支配層が軍事力を、とりわけ核兵器を手にその存在を誇示するとき、その先に待っているのは、あらゆる生命の継続性すら断ち切る荒廃であることを忘れてはならない。 かつて無 […]
劉暁波氏の病状悪化が伝えられる。 劉氏は独立中国語ペンセンター副会長として中国の人権状況の改善に努め、ノーベル平和賞も受賞したが、二〇〇八年以降、中国政府によって身柄を拘束されてきた。報道によれば、最近、同氏は肝臓がん悪化のために刑務所から移送され、病院に隔離、加療中だという。 この間、日本ペンクラブはくり返し中国政府に対し、劉暁波氏の釈放と中国における人権状況の改善を求めてきたところである。 劉 […]
東アジアの情勢が緊迫している。 北朝鮮がくり返す核兵器とミサイルの実験、これを抑え込もうとする米韓の合同軍事演習と米中、日米、さらにロシアを加えた周辺諸国の駆け引き。各国の政治権力が最新の軍事力を誇示しながら争っている。 互いに強がって見せているだけで、たいしたことは起こるまい、という見方もある。私たちもそう願っている。 しかし、北朝鮮は特異な独裁制を敷いている。他方、関係諸国のなかには、最 […]